表参道のヤッコさん

「私には、何かがある」
こう信じて日々過ごしている20代は、今でも沢山いるのでは。
その何かをを信じて、地味〜な仕事から世界的メジャーな仕事まで勤勉にこなし、
スタイリストとして大活躍されている高橋靖子*1さんの、1970年代中心にした回顧録です。
読み進むうちに、「彼女には、何かがある」と思えてしまう。
今では伝説の人たちとの出会いが、垂涎もののエピソードばかりだからです。
何気なく喫茶店でスカウトしたコが、何年も経ってヤッコさんがボウイに出会って、ボウイからイーノのガールフレンドとして彼女の名前が出てくる。なんてぞくぞくする目に見えない縁を感じる話だし、
ソニーの盛田さんやゴローさんとのお話も、「信頼」の意味をじーんと味わうようないいおはなしです。
もちろんデヴィッド・ボウイの話など、こんな体験したら私はあとの人生寝て暮らし、一生思い出に酔いそうですが、彼女はボウイさえ「One of them」の一人なんですよね。
私には、ファッションや音楽雑誌で憧れていた懐かしい世界ですが、「何かある」と思いつつ鬱々としている若い方にお薦めしたいですね。

表参道のヤッコさん

表参道のヤッコさん