「うたかたの日々」「日々の泡」

ここの名前の由来はボリス・ヴィアンの小説からです。
「うたかたの日々」「日々の泡」どちらも同じ作品ながら翻訳者と出版社の違いで書名が異なります。
どちらも好きなネーミングなのと、同じ名前のBlogは沢山あるので、欲張って合わせてしまいました。
すると「泡の日々の泡」てな内容になってしまい、ちっぽけな毎日にふさわしいのではとも思います。
私が彼の「日々の泡」を読んだのは随分昔のことです。学生時代の美術の顧問に薦められました。
胸に蓮の花の咲く病気を患った恋人を持つ主人公コランの恋愛小説。
私はパルトル(サルトルのパロディ)狂で、書店員のお薦めするどんなつまらないパルトルモノも買わずにいられない友人シックがとても印象に残っています。
なんだか、後の収集癖気味の自分を予感させるから。
私はこの小説はボリス・ヴィアンを知るきっかけになったので、特別ですが、
一番好きな作品は「ヴェルコカンとプランクトン」「アンダンの騒乱」(ボリス・ヴィアン全集より)
です。

 私が惹かれたのは、むしろボリス・ヴィアンより、彼の親友だった少佐(マジョール)ことジャック・ルスタロでした。
彼らが知り合った時は、15才で5才年下ながら185㎝のボリス・ヴィアンより背が高く、一生定職に就かず、「上品なものごし」「おもしろい話しぶり」「強烈なイメージ(片目が義眼でちょっちゅう取り出す)」と伊東守男氏のボリス・ヴィアン評伝に書かれていました。
23才の時に「例によって(窓から出没して屋根つたいに歩いたそうです。)窓から出て墜落死(事故死か自殺か謎)」というあまりにさっさと生き急いでしまいました。
もうちょっとその後詳しいことが判明したかなと、ネット検索してみたけど、残念なことに日本語ではわかりませんでした。

彼と当時の妻ミシェルに出会わなかったら、(二十数種の職業に就いても)小説家としてのボリス・ヴィアンは存在していなかったでしょう。
ボリス・ヴィアンの分身といわれ、かれの小説のモデルにもなった少佐のことが、何年経っても気になる私です…

日々の泡 (新潮文庫)

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うたかたの日々 (ハヤカワepi文庫)

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