「流星ワゴン」

きれいなタイトルだわーと古本屋で購入。
ところが、非常に厳しい現実(リストラ、確執のあった威厳ある父のガン末期状態、子供の不登校家庭内暴力、妻からの離婚催促)に「死んじゃおうかなあ」と思う主人公38才の話でした。
これがどうラスト号泣(某さん談)になるのかと思いつつ、一日で読了。
とんでもない意表をつく親子のユーレイが登場したり、同年齢の父に会ったりと、まるでファンタジーな世界が展開されるので、凄いどんでん返しがあるんじゃないかと先がとっても気になり、がーっと一気に読めました。
とってもいい終わり方です。
読後感が爽やかです。ストーリーが売りの本なので、あまり書くのは止めましょう。
ワゴン車にのるユーレイ親子の案内で、崩壊するる家庭になるきっかけになった日にタイムトリップして、あまりに不幸な未来をなんとかしたいと思う主人公でしたが…
父親の心の中ってこんなに愛情に溢れているのか。
だとしたら、母親に比べて理解されにくいですねえ
私の父は、父が40代の時に、私が生まれたのでよくおじいちゃんと間違えられました。
それでも何処へでも連れていってくれるのは父でした。
それなのに、生前はあんまり話し込んだ事なんて一度もありませんでした。
テレビのチャンネル争いの時だけしか「勉強しなさい」を言わなかった父。
けっこう「いいおとうさん」だったのにね。
この本に登場する「チュウさん(主人公の父)」みたいに勝ち負けには、全く拘らなかったけど、彼は父を彷彿させるキャラです。
30代の父を知らない私は、主人公のように会ってみたいと思いました。

流星ワゴン (講談社文庫)

流星ワゴン (講談社文庫)