バーバラ・ヴァイン本

もうー私なにか悪いコトしましたか?って聞きたいです。
罰を受けている気分になるほど、毎日毎日辛いです。暑いです〜

 読書三昧の私ですが、先月からバーバラ・ヴァインの推理小説を読んでます。
今2冊目で「階段の家」を読了後、「運命の倒置法」を読書中。どっちも長編。
殺人事件云々よりも1960年〜1970年頃の若い子(ロンドン付近)の暮らしぶりにびっくりです。
ごく一部のロッカーじゃなく、当時はカリール・ジブラーンや東洋の哲学に耽溺し、インドの導師に会いに行く学生がいて、大きなお屋敷でコミューンしてという、デヴィッド・ボウイが体験し写真に残しているシーンがそのまま登場するのにも驚きました。
グラムロックで「ジギー・スターダスト」として脚光を浴びたころ、仏教に傾倒を必ずアピールしていましたが、
つまり、そういう時代だったわけですね〜
バーバラ・ヴァインこと、ルース・レンデルは1930年ロンドン生まれですから、当時のムーヴメントに興味津々だったんだと思います。
「階段の家」も「運命の倒置法」も大きな家が思わぬことから自由になると、コミューンを目指そうとするのです。
今、とっても1960年代に興味があります。
当時のイギリスってまだ経済不況じゃなかった時代です。
本にはミュージシャンに影響されたっていう書き方じゃないんですねえ
音楽、映画、ファッション(文学も?)がーっと変化した時代ですよね。
それから産婦人科医師が診察室で煙草をくゆらせ、患者に一本勧めるなんて、今なら事件ものですよねー
今注目のカラーリング剤「ヘナ」が当時は一般的なのもほーっと思いました。

 ストーリー自体はどちらも長編で、構成がきっちりしてますが、読者をじらす書き方になんども途中で最後のページが読みたい誘惑に負けそうになります。
うだる暑さの中では、出会いたくない性格の登場人物でして、相変わらず事件を先にどーんと紹介し、そのいやなタイプの人たちと過去の過ちに怯えながら読み進むわけです。
過去と現実をはっきり区別することなく、交差して進むのも読みづらいというか。読み進みづらいですが、どんどんのめり込みます。
ラストはいつも感心する結末なので、ルース・レンデルの別名「バーバラ・ヴァイン」は、心理描写が巧みで、推理小説より、文学に近いといいますが、確かにねちっこいです。
よくこんな主人公を生み出したなあっていつも思います。
結末を楽しみに、だらだら読んでいます。暑い。