今月の愛聴アルバム

私は本でも音楽でも映画でも、気に入ると何度も「ヘビロテ」癖があります。アウトサイド
初めの印象より違った発見や感想を持つことも多く、自分でもこのスルメ方式にこれからも期待したいです。
1995年に購入したデヴィッド・ボウイ「アウトサイド」はそういう意味で、180度変わりました。
ブックレットのグロい自演のコスプレにまず強い拒否感があり、曲間の語りも音楽の流れを断ち切るようで違和感がありました。
でも、唄われている「アウトサイド」には、現代アートを多少知るようになると当時ボウイが魅惑されていたアートの世界に自分も巻き込まれてみたい誘惑にかられます。
ボウイのこちらに迫る唄い方は、深夜など自分が何処にいて何者なんだかさえ忘れてしまいます。
 今月はブライアン・イーノの日記「A year」(1995年の一年)を再読しましたが、プロデューサーとして「アウトサイド」の制作に関わったイーノのボウイ観も大変興味深いです。*1
「アウトサイド」はネーサン・アドラーという架空の探偵の日記をもとに展開されますが、イーノは一切「作詞」には関心ないのか、立ち入らないことにしているか日記には登場しません。
しかし、二人ともかなりの芸術家と交流があった年なんだと今回わかりました。(最初に読んだときは人名も、何の誰だか全くわかりませんでした。)
ダミアン・ハーストを筆頭に「あの系」の芸術は、私には全くダメですが、それさえも陶酔し美しいと感じる世界に住む人は肯定出来ます。ボウイもかなり気に入っていたようです。*2
ボウイは「アウトサイド」の登場人物レオンを主人公に、舞台化までも考案していたそうです。
イーノの日記にも書かれていますが、*3デヴィッド・ボウイは商才もあり、多分1997年1月に発行された「ボウイ債券」もこの頃には水面下で動いていたのでしょう。

 あー脱線してしまいました〜
今月iPodに、声色ナレーション抜きで編集しなおしてインポートしていれますと聞き心地満点(そうです。邪道ですよね)ボウイの絶頂期って「1.OUTOSIDE」では?って思うほど。(私のことだから来月は保証しない発言です。)

*1:すごいやつ−10代の情熱とエネルギーをまだいっぱい持ち合わせている!

*2:ボウイは、イーノに電話で「過去15年間でぼくがやった最高の代物」と語ります。

*3:「ミューズ(詩の神)とマモン(金の神)をかくも生産的に混ぜ、時には両者を高め会う様子は見事だ」