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「すきまのおともだちたち」

 江國香織作だし、こみねゆら絵だし、かわいい文庫なので。
買って、ソファでごろごろして3時間で読了。
でも、余韻の残るとても含蓄のある小説でした。
児童文学のようで、私のような児童じゃない人にも江國香織の本は「これって…」という
なぞなぞを置いていくのです。
まだ、直木賞受賞じゃない頃の彼女の小説を何冊も読みました。
今も「きらきらひかる」「ホリーガーデン」「流しのしたの骨」が好きです。
えーー?江國香織好きなの?って20代の人に言われたけど、最近は映画化で知る人が多いのかな?
私もこんな文章なら私だってーっと思ったこともあったけど、そう思わせるところが凄いところです。
素直な文章でいて、けっこうストーリーは侮れません。
 
 この小説も若い女性記者が、取材先で童話の世界のような町に迷い込み、(永遠に)9さいの女の子と友達になる話です。
アリスのようなピーターパンのような世界でもあり、その迷い込んだ世界のファンタジーな様子に魅せられつつも、
女の子の家での生活は妙に具体的で「天然生活」にでも載っていそうな素敵なお料理を作ります。
で、主人公の女性は、結婚したり、子供が生まれたりしつつも、突然、いつも不意に「すきまに落ちるように」その女の子のいる町を訪れます。
あー私なら、主人公は女の子に再会するときは、若い女性に戻っていて会えるってことにしたいなあ。
でも、容赦なく主人公はどんどん生活じみて台拭きを握ったままだったり、白髪が生えたりと年を重ねて再会します。女の子も諦観していて、欲しかったものを手に入れたといいます。
その答えが、私には「やっぱり江國香織って才能あるなあ」って思わせる内容でした。
 
 そして、空想好きというか、妄想好きな人なら皆「すきまのおともだち」をもっているんじゃないか?って
読後に思いました。
待っているおともだちが、女の子じゃないけれども。
それで、現実との折り合いをつけているのでは?
私ですか?それは秘密ですよ〜
主人公も誰にも言わないで、年を重ねたのでした。そこがまたいいなあ〜

すきまのおともだちたち (集英社文庫)

すきまのおともだちたち (集英社文庫)