最近、読んだ本

増大派に告ぐ

増大派に告ぐ

第21回日本ファンタジー大賞受賞
バトルロワイヤルとか、となりまち戦争とか身近で架空の世界が広がる構成で、関西の話なので身近な怖さもあり、
ファンタジーというより、誰かの妄想に巻き込まれる恐怖感が面白いと思った。
構成もバラバラなものが、小出しに繋がっていき「えー?」っと読み返すこともあった。
イナガキタルホの短編「薄い街」のような世界観だといいなあと読み進めたが、夜のかなり経年化した団地を舞台に、
粘着タイプの子供大人の話は、ちょうど読んでいたころの梅雨の蒸し暑い夜のような印象だった。
ラストはあれでいいんでしょうか?
気持ちが、減少派になっていくような書き方だったので、かなり驚きました。

月桃夜

月桃夜

第21回日本ファンタジー大賞受賞(つまり今回は2名受賞)
とても読みやすいし、沖縄方面の島に伝わる民話のよう。
半分で、登場人物の行く末がなんとなくわかってしまったくらい、ストーリーは「普通」だったけれど
物語に矛盾がなく、完成度が高いです。
ぞくぞく怖い悪い魅力は前者で、海に浮かぶカヤックという狭い世界で語られる兄と妹の恋というのがイメージとして美しい悲しい情感があるのが後者。
どちらも、読み応え有りました。

萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)

萩尾望都 少女マンガ界の偉大なる母(文藝別冊)

最近見つけたので購入。
天才だと思う漫画家。
ポーの一族」くらいしか読んでないと思ったら、主要作品解説を見たら、昔は熱心な読者だったんでした。
銀の三角」「スターレッド」とかのSFや「みんなでお茶を」ほかのSFコメディ
彼女の漫画で「大人になっても読む漫画が登場した!」って思ったっけ。