『早過ぎたひと 世紀の伊達(だて)男 加藤和彦』

2009年10月16日、加藤和彦が自殺して、2年が過ぎた。
特集番組などあったのかなあと、気になって今まで来たら、昨夜一時間半にもわたる
加藤和彦特集」がBSであった。*1
日本にとってかなりの「ミュージシャン」だったと改めて知った。
坂崎幸之助氏のギターで、どこが斬新だったかを改めて聞くと、「加藤和彦ポップス」の
魅力が、じーんとわかった。
当時は大人のポップスがなかったという。それを作ったのが加藤和彦だという。
様々なフレーズを紹介して如何に新しかったかを語る。
坂崎氏は加藤和彦の晩年に「和幸」という二人のデュオを結成したのだが、
本当に学生時代から好きだったんだなー
 次々に友人が登場し、加藤和彦の思い出を語る。
小倉エージって活字でしか知らなかった人も登場。
高橋ユキヒロも、京都の音楽仲間もみんな大好き加藤さん〜だったのに。

 ロールスロイスを買いにロンドンに無免許なのに買いに行った話(まだ70年代前半の話)とか、
コーデュロイの新品のジャケットにユーズ度感を出すために着て寝た話は、
彼らしいなあと思ったけど、日本にコンサートでのPA機器を持ち込んだ最初のミュージシャンで、
個人で音響機器を購入し会社まで立ち上げて、広めたという。
趣味も仕事もお金の使いどころが、かっこいい人だった。

 私は特にファンじゃなかったけど、YMOが参加して、金子国義がジャケットを担当した「ベル・エキセントリック」は
大好きなアルバムだ。
それから、大昔のことだが、コンサート会場で2つ前の席に加藤和彦夫妻がいた。
「トノバーン」って呼ばれていた。
最初の妻の加藤ミカ、次の安井かずみ、魅力的女性だったな。
ご夫婦でかっこいい老人になってほしかった。

 いろいろ思い出しちゃって、辛くなり昨夜は15分前に見るのをやめてしまった。
今日録画したのを見た。
 
 遺書に死にたいのではなく、生きていたくないと書かれていたが、
自分を客観的に見てほしかった。そんな風に考えるのって病気だからだよなって。
こんなに素敵なおしゃれな人がいるんだって、もっともっと羨ましがらせてほしかった。

ベル・エキセントリック(紙ジャケット仕様)

ベル・エキセントリック(紙ジャケット仕様)

 
加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度 (文藝別冊)

加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度 (文藝別冊)