「ディアギレフ」

 私は、この人に関係する本ならとりあえず読む!(買う)と決めた人たちがいる。
あまり増えないけれど。
このバレエリュス(ロシアバレエ団)創設者のディアギレフも、その一人。
2月に最新の伝記がでた。
十代のころ、何故20世紀初頭のヨーロッパにばかり、天才的な芸術家が出現したのだろう。と疑問を持った。
もちろん、世界中に「天才的な芸術家」はいたし、20世紀全体で登場もするが、私の好きな画家、音楽家、バレリーナが何故同時に
その時代なんだろう?
それは、このディアギレフがいたからだと今は断言できる。
 帯には、
ドビュッシーに「石をも踊らせる怖ろしいが魅力的な男」と言わせた美の魔術師。
20世紀芸術を方向づけたバレエ・リュスの生みの親ディアギレフの、華麗にして悲劇的な人生を描く画期的な評伝。
 
 まだ昨日購入したばかりなので、帯と裏表紙の書評と、あとがきだけで胸いっぱいになる、「画期的」にかなりわくわく。
日本で発行され、読んだ評伝は過去2冊あるが、今回の特徴は未発表だったロシア語の文献資料を駆使しているところだという。
しかも、訳者でバレエリュスを長年研究されている鈴木晶氏に、その狩猟ぶりは徹底しており、
今後これを超える伝記はでないだろうと、言わしめている。

 不況の折にこのような、入魂の書を発行してくれたみすず書房も素晴らしいなあ。
前回のリチャード・バックルのは、書かれたのは1970年代で、バレエリュスに関わった人たちに直接話が聞けるリアル感がよかったが、
また違う方向から楽しめるんだとおもうだけでうれしい。

ディアギレフ―― 芸術に捧げた生涯

ディアギレフ―― 芸術に捧げた生涯