「優雅な生活が最高の復讐である - 加藤和彦 ・ 安井かずみ 最期の日々-」

3月25日NHKBSプレミアムでドキュメンタリードラマというカタチで放送。
安井かずみは、麻生裕未、加藤和彦袴田吉彦が演じていた。
時々実際の友人たちが当時の二人を語る。
録画しておいたのを、やっと昨晩見たが、一時間半という長丁場の上、悲しい結末よりも
ぜーたくな暮らしぶりが、なんか引くんですよね。
疲れの方が勝ってしまい30分も観ないで、テレビの前で熟睡してしまった。
今日は、もう見終わった気分になっていたのに、そうだ、何故このタイトルなんだろう。
と、関心があってそういうセリフがないかなと結局、全部見た。

「優雅な生活が最高の復讐である」これは、カルヴィン・トムキンズの書名と同じ。
まだ未読だけれど、芸術家夫妻たちの華やかな交友をエピソードで集めた本だ。
番組の中で、看病に疲れきっても、当時の食生活スタイルを止めない加藤に、ヒッピースタイルの分身が現れて
揶揄するシーンで、加藤はこの言葉をつぶやいた。
私はあの本に登場する夫妻たちのように、人生を楽しみたかった夫婦という意味でこのタイトルなんだと思ってみたのだけれど、
その疲れた加藤のセリフだと、もっと重い意味がある気がした。

 それにしても、悲しい。安井かずみ専用の机の引き出しからノートを見つけて
「いつまでもかずひこさんとー」と綴られた文章を発見して号泣するシーンは、
こんな間際まで作詞家な彼女に私も泣いてしまった。(昨夜は熟睡だったのに。)
私は、動いて話す安井かずみを見た記憶がないが、アンニュイな気の強そうな女性を麻生裕未は演じていて、
私も安井かずみってこんな感じだったのでは?と思った。
前に加藤和彦の特集も見て、同じことを思ったものだが、もっと長生きしてほしかったな。
ぜーたくな暮らしぶりが、鼻につくけど、無関心ではいられない夫婦って今いないなあ。

優雅な生活が最高の復讐である (新潮文庫)

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