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「メランコリア」

映画

はじめに、一瞬を切りとられたような女性(苦痛になるほど美しくない)のアップが続く。
時々登場するブリューゲルの絵、延々と流れるワーグナーの音楽。
それは何を意味するのだろう。
監督の終末観を象徴するアイテムなのかなあ
と、どちらかというと暇つぶしに録画しておいた「メランコリア」を冷ややかに見たのだが、
圧倒されました。
今年、私が観た映画ベスト1でしょう。
女優としては、こんなに長いことアップして見たくないわなあと思うがっしりした顔立ちの主人公が
次のシーンで花嫁ジャスティンとして登場すると、驚くほどキラキラ輝くように美しい。
反対に姉クレアはやせ細り、妹の結婚式でも心配ばかりしている。
ややっ!このひとジャルロット・ゲンズブールじゃないの!
あの「なまいきシャルロット」(大好きな少女映画)が、こんな気遣いで成り立つ悲しい女性役とは!!
そして、母親役はシャーロット・ランプリング
ここでも存在感あって、まなざしの妖しさも健在だ。
娘の結婚を罵倒したくて、パーティに出席してる母なのだ。
それでも大きなお屋敷で、人生最高のイベントにはしゃぐ主人公が、前半。

後半は、とてつもないスケールで静かに崩壊へ進む。
メランコリア」という惑星が太陽の裏から出現し、軌道が地球の軌道と重なる可能性があるという。
翌日になって科学者の姉の夫も可能性はないと言いつつそわそわしだし、姉も不安感で落ち着かなくなる。
結婚式で大失敗して落ち込む主人公が、メランコリアに対して一番「ふつう」なのが感動ものだ。
とくに夜のメランコリアを一人仰ぎ見るシーン。
なんて美しい光景なんだろう。
「魔法のシェルター」は、巨大惑星メランコリアに大接近された小さな地球が出来る最後の「知恵」だった。
この美しいラストシーンは、地球にしかできないもの。

全部見てから、ごく自然にもう一度最初のシーンを即見た。それほど余韻が残りました。