「ピアノチューナーオブ・アースクエイク」

 とっても良かったあ〜*1
特にラストが、私の好みにぴったり!
テリー・ギリアム製作総指揮
ブラザース・クエイ監督
これだけで、絶対観たい!と思ってました。大阪は12月20日からでしたが、東京は早かったので、雑誌に紹介されていました。
クエイ兄弟は一卵性双生児で、雑誌で見たけどそっくりです。1947年生まれですが「人」を使った映画は2作目です。
9ヶ月だけロンドン滞在予定が25年間暮らすことに。
アニメーション、パペットの映画他に舞台劇オペラバレエの背景デザインを手がけているそうです。
パンフレットの紹介記事もインタヴューも「ブラザース・クエイ」で統一。
一人でまるで2倍の知的宝箱を持つ人のような印象です。

 映画のストーリーは割とシンプルでした。
美貌のオペラ歌手が婚約直前に魔術にかけられて亡くなったと見せかけ、誘拐される。
さらった博士の奇妙な世界観あふれる島での生活。
ピアノが一台もないのに、呼ばれたピアノ調律師が実は主人公なのだが、ちょっと地味だなあ
彼に語る、博士のアリと胞子の寓話も忘れがたい。
色調も、苔の生えた水面のような、セピアグリーンだったり。背景の美しいくらい山脈の空だけが妙に明るかったり。とにかく美しい。
一回だけでは台詞を把握しきれませんでした。
原案は「ロクス・ソルス」レーモン・ルセール著と帯に書いてあったので、今読書中ですが、博士と、その館だけアイディアだったのかも。
ほかにカサーレス「モレルの発明」、ベルヌの「カルパチアの城」もあげています。
背景もマルグリットの絵を参考にしたりして、「美味しいとこ盗り」のセンスが抜群に上手いなあ
他の作品の紹介を見てもすでに在る小説にヒントを得てパッチワークのように兄弟が全く違う作品にしたものもあり、魅力を感じるのです。

 しかし…彼らのお気に入りアイテムは「朽ちたビスクドール」で、この映画にも他の作品にも登場します。
わたしは、不気味で怖かった〜
壊れた顔に表情がないのと赤ちゃん体型が怖いんです。
これさえなければ、大好きな監督となりそう。