「メイヤー・オブ・サンセット・ストリップ」

 “ロック界のカリスマ、伝説のDJロドニーの人生を追った爆音ロック・ドキュメント”
と、購入したDVDの裏側にキャッチコピーがあるのですが、ロック界のカリスマなんですかなあ?
でも、或る理由ゆえに、日本語訳発売で、ずっと気にはなってました。
ロドニー・ビンゲンハイマーのドキュメンタリーですが、2番目にデヴィッド・ボウイの名前があるから。
この映画がボウイ・ネットで紹介された2003年時は、モヒカンのヘアースタイルのボウイはあんまりイケテナイって
ファンの友人と話したのに、今回DVDで見ると、やっぱり品があるというか洗練されていてどんな髪でも男前だった。

 ロドニー・ビンゲンハイマーは、有名人おたくの両親に育てられ、
両親が離婚すると母親はある女優の家の前に、彼を置き去りにしてしまう。
でも有名人と親しくなりたいという濃いDNAを受け継ぎ、小柄でチャーミングだったロドニーは
モンキーズのディビー・ジョーンズの代役、ポップショー番組のサクラなどで人脈を広げていく。
とにかく当時を語る面々が、凄い!
オアシス、コールドプレイに驚き、ディビー・ジョーンズやマイケル・ディバレス、アリス・クーパーに懐かしむわけです。
特にイギリスのミュージシャンが、曲を紹介してもらうには、ロドニー、彼自身のDJによるラジオは
欠かせなかったと思う。インターネット以前は。
彼は音楽的素養もないし、親が強力なコネを芸能界にもつわけでもないが、今の地位につき、大勢のミュージシャンによるロドニー評は暖かい。
私が一番、ロドニーに関して思ったのは、どんな時も「目」が笑っていないこと。
好きな仕事に就き、大勢のミュージシャンや芸能人に囲まれているのに、何故か悲しそうな目だった。
生い立ちや、父親へのインタヴューがそれを伏せんにしていく。ロドニーは両親に愛されていなかった(と感じる)のに、まだ愛されようとしているシーンは痛ましい。

 デヴィッド・ボウイは、全部で2分位。
短くてがっかりだけど、カリスマ性がよくわかる。彼を囲み記念撮影シーンも、このドキュメンタリーのための撮影なのに
ボウイは中央で、ロドニーは端より。
この映画のためにインタヴューに応じたボウイは、1971年、1月から2月にかけて「世界を売った男」のプロモーションで渡米した頃のことを語る。2,3週間すると丘の上に家を借り「(サンフランシスコの印象をもとに)ジギーの曲を作ったそう。ウルフマンジャックの家だったとロドニーが補足。
ボウイはロドニーに「ラジオ番組で渡したカセットもってる?オークションで売ったりしてないよね?」と笑いながらいう。
どんな曲なんだろう。
そのほかスナップ写真(モノトーン)が「世界を売った男」のジャケットの服装(長髪にドレス)で、見たことがないのが数枚。
あの格好でプロモーションしたらしいです。

有名人にはなったけど、スターじゃないなあと、ドキュメントを見て思いましたが、
30年続けたのは人間的魅力のある人だと思います。
この映画が作られて4年後、ハリウッドの星型に刻まれたそうです。有名人好きのロドニーうれしかったでしょうねえ*1