「テレプシコーラ」
知ってる人は知っている話題の少女漫画です。
「ダヴィンチ」に連載中もばらばらと立ち読み愛読してましたが、やっぱり全巻そろえんとぉーと意気込んでます。
私は「ブック○フ」に比較的近いので、見つけては買うようにして集めてました。
全10巻のうち、あと3巻抜けてますが、もう限界。明日書店で新刊買いたいなあ
作者の山岸涼子さんの「アラベスク」を昔読んで主人公ノンナなりきりで感動しましたが、
「テレプシコーラ」もプリマドンナを目指す少女が主人公です。
ノンナを彷彿させる頼りなさの上に足の開脚に難ありの六花と、一歳年上のバレエダンサーとしての素質にも恵まれ度胸もあるしっかり者の姉千花。
ストーリーは単純なのに、姉妹の心理描写や脇役がさりげなく語るバレエのうんちくなど、巧いです。
イジメや子供を売り物にする親、医療ミス等現代に蔓延るダークな面も「バレエ漫画」なのに、
バレエの美しい場面と対照的なほどしっかりこちらの胸に迫ります。
もちろん、12才の少女の精一杯努力する姿。そして、それでも叶えられない現実。
バレエというファンタジーな舞台を目指すお話ながら、シビアな作家の視線が決して甘めじゃない完成度の高い少女漫画に作り上げています。
六花は、ちょっとしたことで泣く、あがり症で回りに常に心配をかける少女ですが、表現力に優れ、彼女を応援してくれる師にも恵まれます。
姉はいつも完璧で努力家。心も強い少女としてまわりも評価してきますが、それがよいかというと…
うーーん。こうするしかなかったのかあ…
私が作家ならこういう結末にはしないでしょう。山岸涼子は最初からこの結末を用意していたそうです。
プロだなあ。
- 作者: 山岸凉子
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