トマス・ピンチョンの「V.」

 新潮5月号を迷ったけれど、購入しました。
新世紀トマス・ピンチョンと題して特集があったからです。
懐かしいなあ。
「V.」かっこよくって好きだったんだよね〜
でも、次に出た「重力の虹」が難解だって聞いてフェードアウトしました。
まだ特集も未読ですけど、この「V.]読んだ当時はけっこういいよっ!って
友人にふれ回りました。
「聞いたよ。その本よかったんだって?
 それ聞いて、○さん(友人)が読みたいっていうから、お誕生日プレゼントはその本にしようと思ったのに、
 上下巻、しかも一冊3000円以上するなんて…」
と、言われたことがつい昨日のよう。
そんな小さな会話は思い出せるのに、もうあらすじも忘れてしまいました。
 この「V.」を紹介した雑誌を読んで、どんどん体が人工美の極致に変わっていく謎の女性「V」を
追う男と、ニューヨークの男の話が交差する、構成も二重構造でした。
ばらばらなエピソードが、V.に繋がっていくんでしたよね。
アー再読しよう、やっぱりあやふやです。
分厚い2冊の「V.」本棚の奥から出してみると、すっかり忘れていた「キーワード」が浮かびました。
国書刊行会で「ゴシック叢書」
今も定本 久生十蘭全集 とか出してますねー
こことか薔薇十字社、牧神社、桃源社
今はない出版社ですが、大好きで本に挟まれた新刊ご案内が好きでした。
ゴシックというと「オトラント城奇譚」が有名ですが、しっかり叢書に入ってます。
現代のゴシックは、ポストモダンと様変わりするのですが、
26歳でこの小説を書いた、トマス・ピンチョンは相当先をいってましたね。

 で、ことし新潮社から「トマス・ピンチョン全小説」が出版されるんですねー
これ、売れるかなあ、英断に感謝ですが、
いいですよ!「V.」という私も図書館を期待です。
 

V. 上

V. 上

新潮 2010年 05月号 [雑誌]

新潮 2010年 05月号 [雑誌]