「冒険王・横尾忠則」展


 暑い〜と言いつつも、先週一人で兵庫県立美術館で「横尾三昧」してきました。
貼り付けたのはチラシですが、この絵が今回は一番好きでした。
ジュール・ヴェルヌの海」っていう題ですが、鮮やかな深みのある美しい赤色はこのシリーズに良く使われていました。しかし、海でもあり宇宙でもある世界を描きつつ「赤!」というのが横尾忠則だわあ〜
かなりの迫力です。色彩もうっとりですが、少年の冒険を主題にしているためか、20世紀ど真ん中ファッションの(つまり横尾氏の少年時代)の少年3人組がよく登場します。
これが少年小説のような、懐かしいが初々しいという魅力があるのです。
私なら、あの才能なんだから惜しまずもっと美少年にするのに…(坂東英二の少年期みたいのもいた)
つまり彼らは決して主役ではなく、絵画全体の一モチーフに過ぎないのですねえ
怖い夢のような、不気味なんだけど覗かずにいられない世界に踏み込もうとする少年達のシリーズが、あーご健在だとうれしくなるほどヨコオヨコオしてました。
 それからY字路シリーズも、なんでこだわるんだあと聞きたいほど何作もあり誰も描けない風景画でした。そうだ、あの分かれ道の向こうは「ツイン・ピークス」の町に続くのかもしれません。
他にも新人時代のイラストとか盛りだくさんで、近くならもう一回行きたいなあ
 私は、生涯3回目の横尾忠則展でしたが、長いブランクありで、最近のご活躍は全くしりませんでした。
でも、相変わらず少年の好奇心を持ち、好きなものを見つけ「はまる」のが上手く、常に一生懸命な横尾忠則氏を作品に感じ大満足でした。
ああーもう72歳!ってのにびっくりです。
彼が50代のころ、楠田枝里子さんとの対談で「今へルマン・ヘッセに凝っていて、一冊ずつ読んでいるんですよ」とおっしゃいました。
私は、ヘッセを、大御所になった50代で愛読していることに、すごく惹かれました。
当時も今も横尾さん、スキですねえ。
 そして、お茶目なところもあって、出口にガチャポン(カプセル入りおもちゃ)がありました.
横尾さんプロデュースの「魔除け招き猫」が入ってるのです!
さっそく買ったら私のはこれででした。
うーーんなかなか…

魔よけというより魔招きっぽいけど、ファンの私は喜んで飾ってます。